秘密にしないスキャンダル
「どうですか?一ノ瀬君との同棲生活は?
一緒に住むまで知らなかった大発見とかありますか?」

「毎日が大発見です。
例えば毎朝欠かさずヨーグルトを食べるとか、アルコールには結構強いとか」

「よく一緒にお酒呑んでるんですか?」

「私じゃなくて遊びに来たハルトとよく呑んでますね」

「あれ?ユウナちゃんは呑まないんですか?」

「ユウナが酒呑むのは禁止されてるんですよ」

陽人の言葉にインタビューしていたとある雑誌の記者の目がキラリと光った。
何か面白そうな話が聞けそうだと思ったのか陽人の方に身を乗り出している。

「その話、詳しく教えてください。
禁止というのは事務所からですか?」

「事務所とか両親とか……とりあえず勇菜が酒を呑んだときに一緒にいた人達全員から、ですね」

「何故禁止になったんでしょうか?
酔っ払うと何かしでかしてしまう感じですか?」

「それは想像してもらったら楽しいかもしれないですね」

笑い上戸とか絡み酒とか泣き上戸とか、いろいろ考えてみてください。と陽人が笑顔で言うと記者は、うーん。と眉を寄せた。

「それはキス魔になるとかすぐに寝てしまうとか、そんな想像でもいいんですか?」

「いいですよ。
その中に当たりがあるのかないのかも是非想像してみてください」

「いや、そんな想像しないでくださいよ」

酒を呑むとどうなるのかだなんて自由に想像してほしくなんかない。
勇菜が眉を潜めていると、記者がメモを取る手を止めて再び陽人に視線を向けた。
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