秘密にしないスキャンダル
「いやー、Shineとの共演って飽きないよね」

収録が終わり挨拶回りも終わった後、スタジオを出た近くの休憩スペースで拓也が笑いながら言った言葉に勇菜は肩を落とした。

「うぅ……私、今日は家に帰れません」

確実に反省会と言う名のお説教タイムが始まります……。と言うと拓也が、大丈夫だよ。と笑った。

「次同じ失敗しなきゃ一度怒られるだけですむよ」

「一度でも怒られたくないんですー！」

拓也さんならわかってくれますよね、あの二人の怖さっ！！とすがり付きたくなるがその前に拓也は、じゃあ頑張ってね。と手を振りながら去っていった。

「拓也さんの薄情者ー……」

項垂れながら呟くと足元に影が落ち、目の前に勇菜が好きな甘さのカフェオレが差し出された。

「お疲れ様」

「……隆君……」

そっと受け取り、好きなカフェオレ覚えててくれたんだね。ありがとう。と微笑むと隆矢は頬を掻きながら視線を僅かに反らした。

そんな隆矢に勇菜は少しだけ癒されて一口飲むと、ふぅ……と安堵の息をついた。
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