秘密にしないスキャンダル
「難しく考える必要はないと思いますよ」

「「え?」」

「特別な何かをする必要なんてないんです。
要は相思相愛の状態で友達としてではなく、それ以上の時間をどれだけ長い間一緒にいたいかじゃないですか?」

友達だったらお互い好きあってても四六時中一緒にいたい、一緒にいようとまではなかなか思わないんじゃないですか?と言われて司会者は、なるほど。と手を打った。

「確かに好きな人とは時間が許す限りずっと一緒にいたいと思いますよね!
ね、ユウナちゃん」

「ずっと一緒……」

想像してみた。
あの好きだと思った柔らかい微笑みを向けられながら隣でいるところを。
そんな時を時間が許す限りずっと……。

「ひゃー……」

「ユウナちゃん、顔真っ赤ですよー。
何想像したんですか」

「……ずっと一緒にいるなんて、恥ずかしすぎて死ねそうです」

死にませんよー。と司会者は笑うが、そんなことはないと勇菜は思った。
想像しただけでこんなにドキドキしているのだから、実際にずっと一緒にいれるとなったらどうなるかわからない。

「やっぱりお付き合いは出来そうにないです……」

「諦めないで、頑張ってくださいっ!」

諦める諦めないの問題でもない気がすると思いながら、勇菜は赤くなった頬に両手を添えながらぎゅっ唇を引き結んだ。
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