秘密にしないスキャンダル
「お疲れ様でしたー!」

「「「お疲れ様でしたー」」」

握手会もステージのセットの片付けも終わり、今回もこの地方でのライブが無事に終わったことを祝してスタッフの人達と打ち上げをしていた。

「今日こそは何事もなくライブ終わると思ったんですけど、最後の最後でやらかしてくれましたねー」

風船を踏んで転けるなんて思いませんでしたよ。と演出を一緒に考えてくれたスタッフの人が苦笑いする中、近くにいた音響担当の人が、でも。と話に入ってきた。

「Shineのライブはユウナちゃんのドジっぷりも目玉になってるから、何もなく終わるのも味気ないって言われてるみたいですよ」

現に転けたあの時も結構盛り上がってましたし。と言われて勇菜はあの転けた瞬間を思い出した。

「じゃあ今日転けたのも結果オーライですね」

「そんなわけないだろ。
ユウナのそのポジティブ思考、本当に羨ましいな」

呆れたように陽人に言われるけど自分のドジな所も楽しみの一つにしてくれているならそれでいいじゃないかと、両手で持っていた麦茶入りのコップを傾け一口飲んだ。
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