秘密にしないスキャンダル
「え、隆君?」

「……何もないところで躓くなんて勇菜はドジだな」

「ええっ!?
隆君が引っ張っ……」

反論しようとした瞬間、ほんの一瞬だけ抱き締められたかと思うとすぐに体を離された。
ポカンとして見上げると、微かに顔を赤くして熱い眼差しを向ける隆矢の顔が間近にあり目を見張った。

「隆く……」

「ごめん、ちょっと無性に抱き締めたくなっただけ」

小声で告げられた言葉に勇菜の顔は真っ赤に染まり、恥ずかしさのあまり下を向く。
すると隆矢は耳に口を寄せて、最後に観覧車に乗ってキスしてもいい?と聞いてきたので勇菜はついに固まってしまった。

「駄目?」

「っ……そんなこと聞かないでほしい」

すっごく恥ずかしい。と責めるように訴えると隆矢は、俺もすごく恥ずかしい。と照れ笑した。
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