秘密にしないスキャンダル
『みんなー!!楽しんでますかー!?』

楽しんでるー!!と観客席から声が上がりぞわぞわする。
瞬くライト、鳴り響く音楽、揺れるペンライト。
全てがキラキラ輝いて勇菜は口角を上げた。

『先日初デートに遊園地に行ってきましたー!
そこで会った人達に夜までネットに情報載せないでねってお願いしたらみんな約束を守ってくれました!
ありがとー!みんな、大好きだよー!!』

こちらこそ、ありがとー!!
俺達もユウナちゃん大好きだよー!!
てか、一ノ瀬君に大好きって言ってあげてー!!

四方八方から聞こえる声に勇菜はその場でくるくる回りながら会場を見渡しマイクを握り直した。

『言えなーい!
だって、恥ずかしいもん』

えー!!と全員から声が上がると同時に頭にコツンと何かが当たった。
ん?と首だけ振り返るとそこには呆れた顔の陽人が立っていた。

『何MC利用してノロケてんの。
アイドルが恋愛話するもんじゃないだろ?』

『いやいや、我がShineと言うユニットは恋愛もオープンにするアイドルです。
そして、皆さんに応援してもらうんですよ』

みんな応援してくれるよねー?と言うと、するするー!と返してくれる。
Shineのライブにはノリがいい人が多いのが特徴らしく、勇菜はこの時間も楽しくて大好きだった。
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