秘密にしないスキャンダル
「今日のMCも楽しかったよ。
ハルト君とのトークも面白いし」
「ありがとうございます。
でも、それ聞いたらハルトが嫌な顔しちゃうと思うので言わないでくださいね」
「実はもう言っちゃって顔をしかめられたとこ」
「あはは、手遅れでしたねー」
握手をしながら雑談して、目回してふらついてたでしょ。とか言われて照れ笑いしながらもファンとの交流を楽しんでいたら目深に帽子をかぶった女の人がやってきて勇菜は首を傾げた。
今までファンの人達の楽しかったという表情や面白かったという表情はたくさん見てきたけれど、目の前の女性は顔は見えないけれど雰囲気が楽しんでいたというような感じには見えない。
そんな感じではなく、何か不満を持っているような……。
そう思っていると女性は俯いたまま鋭い視線だけを向けてきて勇菜は僅かに背を仰け反らせた。
「は……初めましてですよね?
見に来てくれてありがとうございます」
当たり障りなく声をかけ、握手をするために手を差し出すとその手をじっと見つめられた。
そのまま喋りも動きもしない女性に勇菜だけでなく、後ろに並んでいた人も近くにいるスタッフも怪しみ始めたときに女性がやっと動き差し出していた手を取った。
ハルト君とのトークも面白いし」
「ありがとうございます。
でも、それ聞いたらハルトが嫌な顔しちゃうと思うので言わないでくださいね」
「実はもう言っちゃって顔をしかめられたとこ」
「あはは、手遅れでしたねー」
握手をしながら雑談して、目回してふらついてたでしょ。とか言われて照れ笑いしながらもファンとの交流を楽しんでいたら目深に帽子をかぶった女の人がやってきて勇菜は首を傾げた。
今までファンの人達の楽しかったという表情や面白かったという表情はたくさん見てきたけれど、目の前の女性は顔は見えないけれど雰囲気が楽しんでいたというような感じには見えない。
そんな感じではなく、何か不満を持っているような……。
そう思っていると女性は俯いたまま鋭い視線だけを向けてきて勇菜は僅かに背を仰け反らせた。
「は……初めましてですよね?
見に来てくれてありがとうございます」
当たり障りなく声をかけ、握手をするために手を差し出すとその手をじっと見つめられた。
そのまま喋りも動きもしない女性に勇菜だけでなく、後ろに並んでいた人も近くにいるスタッフも怪しみ始めたときに女性がやっと動き差し出していた手を取った。