秘密にしないスキャンダル
「っ……!?」
握られた手は痛いほど力を込められ、顔をしかめそうになるのを堪えるとにこっと笑顔を浮かべた。
「ライブ、楽しんでもらえましたか?」
「あんたさえ……」
勇菜の言葉に対して返ってきた言葉は噛み合っている様子はなく、手はさらに力を込められる。
あまりの痛みにほどこうかと空いている手を宙に浮かせたとき、小声ながらもはっきりと女性の声が聞こえた。
「あんたさえいなければ……」
「え?」
それってどういう……。と続けようとした言葉は出て来ずに、女性は恨みがこもった眼差しを勇菜に向けると吐き捨てるように言い放った。
「絶対許さない……。
絶対後悔させてやる」
ようやく離された手を空いてる方の手で庇うように押さえると、呆然と去っていった女性を見ていた。
ユウナちゃん、大丈夫?と後ろに並んで様子を見ていたファンの人達とスタッフが心配そうに近寄ってきた。
「大丈夫です、問題ないですよ」
にっこりと笑顔で答えて、心配してくれてありがとうございます。と手を差し出した。
先程力強く握られた手とは反対の手だけれど、全員が気づかないふりをして握手会を再開してくれたことに安堵しながら勇菜は痛む手を意識しないようにするのだった。
握られた手は痛いほど力を込められ、顔をしかめそうになるのを堪えるとにこっと笑顔を浮かべた。
「ライブ、楽しんでもらえましたか?」
「あんたさえ……」
勇菜の言葉に対して返ってきた言葉は噛み合っている様子はなく、手はさらに力を込められる。
あまりの痛みにほどこうかと空いている手を宙に浮かせたとき、小声ながらもはっきりと女性の声が聞こえた。
「あんたさえいなければ……」
「え?」
それってどういう……。と続けようとした言葉は出て来ずに、女性は恨みがこもった眼差しを勇菜に向けると吐き捨てるように言い放った。
「絶対許さない……。
絶対後悔させてやる」
ようやく離された手を空いてる方の手で庇うように押さえると、呆然と去っていった女性を見ていた。
ユウナちゃん、大丈夫?と後ろに並んで様子を見ていたファンの人達とスタッフが心配そうに近寄ってきた。
「大丈夫です、問題ないですよ」
にっこりと笑顔で答えて、心配してくれてありがとうございます。と手を差し出した。
先程力強く握られた手とは反対の手だけれど、全員が気づかないふりをして握手会を再開してくれたことに安堵しながら勇菜は痛む手を意識しないようにするのだった。