秘密にしないスキャンダル
「監督からの要望が“メロディアスで”らしくてさ、それだけじゃ主題歌としてピッタリな曲作れないし、小説読んだけど生の現場も見たいし。
あ、監督から見学の許可もらってるから」
「は、はい……」
すっかり現場が陽人の存在にのまれかけたその時、後ろから勢いよく誰かに抱きつかれ、うわっ!?と声を上げた。
「隆矢君、メイク終わったー?
早く打合せしようよー」
「も、もう少しです。
それより離れてくれませんか……?」
やけに甘ったるい声で顔を近づけてくる美佐を無表情で見つめる陽人がとても怖い。
交際を認めてもらうときに勇菜の家に行ったときの勇人もこんな感じだった。
今のこの状態を勇人や勇菜に報告されてしまったらと想像すると冷や汗が流れだし、慌てて、けれどやんわりと美佐に離れてもらおうとするが美佐はさらにぎゅっと抱きついてきた。
「あれー?Shineのハルト君ですよね?
隆矢君、交際相手のお兄さんがいるから焦ってるの?」
いつもは焦ることなく受け入れているとでも言うような言い方にさらに焦り、慌てて陽人を見上げると、陽人は感情の読めない眼差しで二人を見下ろしていた。
あ、監督から見学の許可もらってるから」
「は、はい……」
すっかり現場が陽人の存在にのまれかけたその時、後ろから勢いよく誰かに抱きつかれ、うわっ!?と声を上げた。
「隆矢君、メイク終わったー?
早く打合せしようよー」
「も、もう少しです。
それより離れてくれませんか……?」
やけに甘ったるい声で顔を近づけてくる美佐を無表情で見つめる陽人がとても怖い。
交際を認めてもらうときに勇菜の家に行ったときの勇人もこんな感じだった。
今のこの状態を勇人や勇菜に報告されてしまったらと想像すると冷や汗が流れだし、慌てて、けれどやんわりと美佐に離れてもらおうとするが美佐はさらにぎゅっと抱きついてきた。
「あれー?Shineのハルト君ですよね?
隆矢君、交際相手のお兄さんがいるから焦ってるの?」
いつもは焦ることなく受け入れているとでも言うような言い方にさらに焦り、慌てて陽人を見上げると、陽人は感情の読めない眼差しで二人を見下ろしていた。