秘密にしないスキャンダル
「この前握手会で何かあったみたいだけど……大丈夫?」
「全然大丈夫ですよ?
私のことよりシキテンさんは大丈夫なんですか?
体調崩されたりしてました?」
「いや、ちょっと仕事が忙しくて……」
「そうなんですね。
私達も新曲やら何やらで仕事が忙しくなってきまして、嬉しい悲鳴中です」
「そう……」
会話はそこで止まってしまったがまだ手が離れる気配はなく首を傾げていたら、シキテンさんは徐に口を開いた。
「……ユウナちゃんの人懐っこさに付け込んだり勘違いする変な奴もたくさんいるだろうから本当に気を付けて」
「わかりました。
でもこう見えて私、意外と強いんですよ?」
心配してくれてるその言葉に笑顔で頷きながら言うと、冗談だと思ったのかシキテンさんは目を細めて微笑んだ後に真剣な眼差しを向けてきたので思わずドキッと胸が高鳴り目を見開いた。
「何かあったら教えて。
必ず俺が護るから」
そう言うと会釈してその場を急ぎ足で去っていく後ろ姿を唖然として見つめていると帽子とマスクの間から見える部分が赤く染まっているのに気づいた。
「見つけた……」
小さく呟いて温かくなった胸に手を置いて微かに微笑む。
あの微笑み方と恥ずかしがり屋な様子は間違いなく隆矢だ。
陽人の言ったように本当にデビュー時代からファンでいてくれて毎回握手会に来て話していた事実に気付き、勇菜は暫くドキドキが止まらなかった。
「全然大丈夫ですよ?
私のことよりシキテンさんは大丈夫なんですか?
体調崩されたりしてました?」
「いや、ちょっと仕事が忙しくて……」
「そうなんですね。
私達も新曲やら何やらで仕事が忙しくなってきまして、嬉しい悲鳴中です」
「そう……」
会話はそこで止まってしまったがまだ手が離れる気配はなく首を傾げていたら、シキテンさんは徐に口を開いた。
「……ユウナちゃんの人懐っこさに付け込んだり勘違いする変な奴もたくさんいるだろうから本当に気を付けて」
「わかりました。
でもこう見えて私、意外と強いんですよ?」
心配してくれてるその言葉に笑顔で頷きながら言うと、冗談だと思ったのかシキテンさんは目を細めて微笑んだ後に真剣な眼差しを向けてきたので思わずドキッと胸が高鳴り目を見開いた。
「何かあったら教えて。
必ず俺が護るから」
そう言うと会釈してその場を急ぎ足で去っていく後ろ姿を唖然として見つめていると帽子とマスクの間から見える部分が赤く染まっているのに気づいた。
「見つけた……」
小さく呟いて温かくなった胸に手を置いて微かに微笑む。
あの微笑み方と恥ずかしがり屋な様子は間違いなく隆矢だ。
陽人の言ったように本当にデビュー時代からファンでいてくれて毎回握手会に来て話していた事実に気付き、勇菜は暫くドキドキが止まらなかった。