秘密にしないスキャンダル
「なるほど、それで“シキテン”ね。
で、勇菜の答えは合ってるのか?」

「残念ながら合ってる」

残念ってなんだ残念って。と思いながら陽人を睨み付けるも、陽人は明後日の方向を見て食後のコーヒーを飲んでいた。

「陽人の条件をクリアしたなら、次は俺から条件を出そうか」

「ええ……朝陽君は味方だって信じてたのに……」

がっくりと肩を落とすと、朝陽は苦笑いしながらさっきと違って優しく頭を撫でてくれた。

「いつでも俺は勇菜と陽人の味方だって。
だから堀原さんがマネージャーに付いただろ?」

「え?
堀原さんはお母さんが社長に言ったからじゃないの?」

「そうさせるように俺が仕向けた」

ニッとたまに見せる悪い笑みを見せて笑った朝陽にきょとんとしながら陽人と堀原を見てみると、二人は知っていたのか無言でコーヒーを飲んでいた。
知らなかったのは自分だけかと朝陽に視線を戻すとその後ろに真未が腰に両手を当てて立っていた。

「やっぱり。
この前陽菜さんがここに来たときに何か企んでる顔をして話してると思ったら……次は何を企んでるの?」

「人聞きが悪いなぁ。
これはShineをスキャンダルから護るためだって」

「スキャンダルから?」

どういうことかと勇菜は身を乗りだし、真未は眉を潜めると朝陽の次の言葉を待った。
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