Spring -盗撮-


「・・・・・・え?
どうしたの急に頭抱えて?」


「・・綾瀬さん・・。」


「え、なになに?」


「少しでも期待した俺がバカだったよ。

あんたさっきから格好つけた事言ってるが、

要は【人手不足に悩む全国の警察から、
どうでもいいヤマを押しつけられてる】

って事なんだろ?」




“ゴキブリが出た”


“風が強くて木々が揺れている。

でもこんなにも揺れるのはおかしいから人が隠れているのかもしれない”


“「私は亀だ。」と名乗る男が街を徘徊している”



危機に陥った人々の頼みの綱、
ヘルプラインとなるはずの110番通報には、

このようなイタズラも含むクソふざけた事案も入ってくる。


だけど通報を受けたからには、
警察官は動かなければならない。


“何も無くて良かった”
で完結させなければいけない。


正義と一口で言っても、それを果たす為に立ちはだかる障害は決して少なくない。

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