Spring -盗撮-


喫茶店の主人が手際よく俺達がオーダーした飲み物と、

モーニングのトーストを持ってきてくれた。


「綾瀬さん。産休はいつから?」


「ごめんね~あと1週間なんだ。

ヒデさんが独りになっちゃう所だったから、

ホントギリギリのタイミングで君が来てくれた!!」


「・・・・・・・・・・・・。」


「ヒデさんの事が気になってるんでしょ?」


「気にならないほうがおかしいですよ。

あんな鍵が掛かった部屋に閉じこもって顔も出さないなんて。

捜査6課に所属するのは、あんたとその“ヒデ”の2人だけなんですか?」


「うん!あ、彼の本名は月本ヒデトシさんね。」


「階級は?」


「警部補・・だったかな?
・・あれ?警部だったかも。」



なるほど・・。

“班長”級の・・今日から俺の上司にあたる人物って事か。

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