Spring -盗撮-
「さっきヒデさんに、
“私の説明もお願いします”って頼まれたからこっちに場所変えたんだ。」
「・・?なんでわざわざ・・?
というか別にあんたからじゃなくても・・
本人が直接俺に挨拶してくればいいじゃないですか。」
「まぁまぁ。ちゃんと説明するから。
え~っと・・ヒデさんはある病気を持っている人なんだ・・。」
「病気?」
「これもなかなか理解を得られづらいのよね~。
どういうリアクションが神野くんから飛んでくるか分からなかったから移動したの。
私達がいるほうの部屋の声、
ヒデさんの部屋に丸聞こえだから。」
「病気持ちという事ならこちらもそれ相応の応対をしますよ。
別に俺は偏見の持ち主じゃない。」
「だと助かる!
ヒデさんは現代の医学でも原因や特効した治療が見つかっていない病に苦しんでるんだ。
症状としては突然胸が苦しくなったり、
不安に襲われて冷や汗が止まらなくなったり・・
呼吸がまともに出来なくなる発作が起きるって感じ。
だから公共の場に出たり、人とまともに話すのがちょっと困難な・・・。」
「・・・ちょっと待った。それって【パニック障害】の事じゃないか。」
「う~~ん。
どうしても説明に困る時は、
一言それで片付けちゃうんだけど、
ヒデさんの場合はもう少し複雑というか・・
【重度のパニック障害】
って考えてもらえると嬉しいな!」