Spring -盗撮-
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「監察管理の奥村です。
この事件の担当になりました。」
「・・・・・・・・。」
「所属とお名前を。」
「・・刑事部 捜査1課 神野シン。」
「どうぞお掛けになってください。」
「・・・・・・・。」
「監査に入る前に1つお知らせがあります。
先程・・柏原が息を引き取りました。」
「・・・・そうですか。」
「ではまずあの日、
君が取った行動を教えてください。」
「・・・・調書の作成で日付が変わってもまだ職場に残っていました。
1時を回った頃だったと思います。所轄の担当刑事から私に連絡が入りました。」
「それは、柏原を確保したとの報せですか?」
「はい。従業員の通報で向かった警ら隊員が、“柏原の身柄を捉えた”との一報でした。
私はすぐに連行される北警察署へ向かいました。」
「その時1課に残っていたのは君だけ。
間違いないですか?」
「はい。堺 班長へすぐに電話しましたが、
留守電に繋がったので伝言だけ残し、
私独りで向かいました。」
「それから?」
「もうすぐ北警察署へ着こうとした時、
緊急無線が入りました。
“柏原が逃走した”
私はすぐに連行中だった警ら隊員の元へと向かい、状況を聞きました。」
「続けてください。」
「警ら隊員、それから北警察署の担当刑事と一緒に柏原の捜索を開始しました。
“人がいない場所で始発の時間までやり過ごすに違いない”
そう考えたのであのビルの方面へ向かい、
柏原を発見しました。」