Spring -盗撮-


―――――― 


『お疲れ様です。』


「・・・どうも。」


ここで生活しているから、どれだけ遅くなっても月本は俺の帰りを待っていた。


ずっとこの場所にいる人間に“待っていた”という表現も正しいのかよく分からないが・・。





『どうでしたか村上氏の“カバン”は?』


「今日もダメでしたよ。

だけどリュックタイプでは無く、

手提げタイプを使っている目的は十中八九、犯行の為です。」



俺が村上を追っている間、
この男は一体何をやってるんだ・・。


安楽椅子だ何だのと囃し立てるが、

この手のヤマは椅子に座ってるだけで解決できるほど単純じゃない。


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