Spring -盗撮-
『今回の盗撮事件。
今日までの捜査から、私が考えた1つの可能性を神野さんにお話しします。』
「・・・・・・・・・・・・・。」
『村上氏は盗撮犯ではありません。』
「!!!??」
『強面の君も、リアクションは子供みたい・・・というギャップを持ち合わせてますね。』
「驚くのも当たり前だ!!
いきなり何を言ってる!?」
『確かに私は1日をずっとこの椅子の上で過ごし、
ワードで作成された調書を眺めることしか出来ません。』
「・・・・・・・。」
『ですがだからこそ、
事実だけを直視することが出来ます。』
「・・・・・・・・・・・。」
『鉄道警察の皆さんは、
村上氏が盗撮犯だという証拠を挙げられずに彼を誤認確保してしまった。
しかし、“挙げられなかった”
と考えるのではなく、
“証拠が無い以上、
村上氏は盗撮犯では無い”
という事実に目を向ける事にしました。』
「いや・・だけど・・。」