Spring -盗撮-
「あ、それから交番に行った時、
アタシの嘘泣きに騙されて、
このおじさんめっちゃ優しくジュースとか買ってくれたのも面白かったよ!」
「てめぇ!!!」
「小川さん挑発に乗るな。
落ち着きなさいって。」
「でも・・まさかバレたなんてね~。
さっきお兄さんに腕掴まれた時はマジで焦ったんですけど。」
「いいか花木。これに懲りてもう二度とゲーム感覚で犯罪するんじゃねぇぞ?」
「はーい。」
「それからもう1つ。」
「・・・・?」
「警察官が“被害者”に寄り添うのは当たり前だ。
・・・次に小川さんの事を笑ったら・・
女だろうがぶっ飛ばすからな?」
「・・・・・・ちょっと・・
そんなマジな目やめてよ・・。」
「・・・・月本さん。」
「・・・?」
「こいつに何か言っておきたい事ありますか?」
「え・・・誰と喋ってるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・了解。」
「・・・・???」
「花木。俺の上司から伝言だ。
『たかが軽犯罪だと甘く考えるな。
同性を敵に回すような人間、
異性に好かれるはずが無い。
お前が将来、人並みの幸せを手に入れたいなら、誠心誠意を以て罪を償え。』
・・分かったな?」
「・・・・・・・・・・・。」
「返事は?」
「・・・・・・・ハイ・・・。」
第6章 完