あなたが私を忘れても、私はずっとあなたを忘れない
みんなでやってみると……たしかにわからない。口の動きが一緒だ。

「ほんとだ…」

結衣が呟く。その時、颯が言った。

「なら、筆談!紙に書いたら誤解は生まれない!」

そんなことを話した後、手話の歴史について伊藤先生が教えてくれた。

手話が生まれたのは、フランス。神父のシャルル・ミシェル・ド・レペが、偶然聴覚障害を持つ双子に出会いその身振り手振りを参考に世界で初めて手話とろう学校を作った。

そして、話は視覚障害へ。

「視覚障害の人を見たことがあるって人は手を上げて」

すると、海斗が手を挙げた。

「なんで視覚障害の人ってわかったの?」

「白杖をついていたからです!」

白杖とは、全盲やロービジョン(弱視)の人が歩行の際に前方に危険がないか確認する白い杖のこと。視覚障害の人の「目」となる。

「道には、点字ブロックがありますよね〜」

チェリーがニコニコ笑いながら言う。線状ブロックは方向を表示して誘導する。そして、点状ブロックは位置を表示して注意を促す。
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