あなたが私を忘れても、私はずっとあなたを忘れない
「迎えに来たよ。一緒に帰ろうね」

「うん!」

おばあちゃんと傘をさして並んで帰る。学校であったことをたくさん話したことを覚えている。どんな話にも、おばあちゃんは耳を傾けて楽しそうに話を聞いてくれた。

それが、幼かった私にとって、何よりも嬉しかった……。



時は流れ、私、須藤葵(すどうあおい)は高校一年生になった。突然だけど、私は普通の高校生が絶対に勉強しないことを学校で学んでいる。

それは、介護福祉。

私の入学した高校は、いろんな専門的なことを学べる。例えば、調理コースではパティシエや料理関係の仕事に就きたい人が料理について勉強する。保育コースは、保育士になりたい人が学び、林業コースでは、植物のことなどを勉強する。

私が、福祉コースを選んだのには大きな理由がある。一つは、私の家族はみんな福祉に関する仕事をしているから。

お父さんは、OT(作業療法士。入浴などの日常生活動作から手工芸やレクリエーションまで作業を通してリハビリをする仕事)として特別養護老人ホームで働いている。
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