Love Eater
そう、良くも悪くも冷静になる。
この姿に自分の道理を説いたところで意味がないと。
ソルトが何を語ろうが六花の感情を揺らす効力なんて発揮しないのだ。
その理解と結論に至ればだ。
「わっ…!?」
「お前を連行し速やかなる処置を施す」
考えるより早くソルトの体が動いて六花の体を米俵の如く肩に抱え上げていたのだ。
六花に抵抗の意思なんて微塵もなかったというのに。
突然の接近と接触と浮遊感には六花も流石に驚いたらしく、大きな目を子供らしく瞬かせていて。
それを確め捉えたソルトは六花の初めての子供らしさにしてやったりと口の端を上げるのだ。
「さぁて、覚悟しろよ?お前にこれから与えられる処置はお前にとっては不本意な苦痛に満ちている」
「ああ、そう。うん、何でもいいよ」
「おい、もっと不安になれよ。脅かして言ってるんだ」
「いや、十分に不安だよ。お前の頭の中の造りが」
「お前、遠回しに俺を馬鹿にしてるよな?」
「いや、遠回しじゃなくてはっきり言ってるつもり」
「本っ当、クソ生意気でいけ好かないガキだなっ。こうなったら今すぐに苦痛ってやつを味合わせてやるっ!?」
「へえ、どんな?」
「あー…えっと……」
無計画の口からでまかせかよ。