Love Eater
場所は日も高くなったのどかな公園のベンチ。
今程購入したばかりのアイスをソルトが無理矢理六花に食べさせていたという状況。
「美味しいか?」
「甘いから好ましい。さっきのくれーぷ?ってやつも甘くて良かった」
そう、コレが初めての飲食というわけではなくて、ここに至るまでもすでに思いつくままにソルトに無理矢理色々な物を食べさせられていた六花なのだ。
どんなに抵抗しようとそこは非力な子供の力。
さっきの様に無理矢理に口にねじ込まれてしまえば否が応でも味覚が開発されてしまう。
そして好ましいと思ってしまった瞬間に欲の一つとして刻まれていくのだ。
それに不服に思えど旨味を覚えてしまった体は意志に反してもっと食べたいと貪欲さまで見せてくる始末。
芽生えてしまった不本意な欲求。
それでも得た瞬間の快感は言いようがない。
そうして己の欲求にまた負けて、今もパクパクとアイスに食らいついてしまうのだ。
「おー、食ってる食ってる。そういやオムライスにもがっついてたよな」
「あれも口の中がパニックになった」
「でも、美味かったんだろ?」
「……良かった」
「ん?本当はあんまりだったか?」
「違っ……その良かったんだが…」
「ん?なんだよ?」
「いや、うっかり零して…その、服に…」
アイスに舌鼓を打っていた姿から一変。
目は泳ぎ、言葉はしどろもどろの挙動不審。