Love Eater
六花はどうしたってソルトのことが…。
そんな風に六花が改めてソルトへの愛着を認識した瞬間だったというのに。
「俺をこれ以上ないってくらい傷つけたいくらいに好きなんだろうがっ!」
そんな空気読まずで台無しに俺様節を炸裂させるのがソルトという男。
当然、
「っ〜〜だから……そういうデリカシーも乙女心もまったく分かってないとこが嫌いなんだよ!!」
こうだ。
「まだ言うかっ!?くそ可愛くねぇな!!」
「可愛くないなら好都合だろっ!!それにご希望なら本気で逃げてやるよ!本気でパッと消えて…今度こそそれきりサヨナラしてやるっ!!」
「ああそうかいっ!どうしたって俺を嫌うってんならトドメにガッツリ嫌わせてやるわっ!」
「サヨナラっ!!」
「好きだっ_」
2人の叫びはほぼ同時。
お互いに感情的で憤り交じりの罵声の延長。
六花に至っては本気で姿を消すつもりの意を決した叫びであったのに。
重なり響いたソルトの言葉がまるで阻む呪文の様に六花の身を留め置いたのだ。
好きだ。…と。
確かに好きだと聴き取れた。
それでも聴き間違いかもしれぬしと、固まる六花の姿からは逃げる意思も抵抗の意思も削がれてしまっている。
そんな姿を見下ろすソルトと言えば、勝ち誇った様にククッと笑ったのは一瞬。