Love Eater



すぐに眉尻を下げた苦笑に切り替わって、

「…こんな時言うなんて狡い!…って、最高に嫌える言葉だろうが?」

「っ__」

そんなトドメをさしてくるのだ。

六花の意地を突き崩すトドメ。

自分の意地を突き崩したトドメ。

こんな真っ向からの言葉の刃に貫かれてしまえば姿を消して逃げるなんて六花に出来る筈もない。

出来る事と言ったら、

「っ〜〜今更……今更なんだよボケェッ!!」

「うん、」

溜まりに溜まって腐敗しつつあった不満をソルトにぶちまける事ばかり。

そんな六花の鬱憤の爆発にはソルトも流石に反論など響かせず。

「散々僕を否定してきたくせにっ!自分自身を否定してきたくせにっ!!嘘つきの大馬鹿野郎っ!!」

「うん。大馬鹿だな、俺は」

「っ…今…更……、僕を裏切り続けてきたくせにっ!僕にはソルトしかなかったのにっ!ソルトが全てで、それしか信じて満たされるものは無かったのにっ!」

「…六花、」

「ソルトを信じられなきゃ【六花】なんて存在出来ないのにっ!それを一番にお前が知ってた筈なのにっ!お前が六花を否定して、どうして六花でいられるのさっ!?」

「六花、」

「嫌い……嫌い嫌いっ!お前なんて大っ嫌っ__」

「い」の音までは響かせる事叶わず。

もう言うな。と言わんばかり。

押し重なってきた唇の感触には見事余熱であった激情を粉砕された六花だったのだ。

瞬きすら忘れて驚愕に固まってしまう程。
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