Love Eater




まあ、強いて言えばだ、

「えっと……キス…は、したけど」

「他はっ!」

「へっ?ええ〜?な…なんかしたか?あ、甘噛みも何かに含まれるっつうなら…それ…も?」

「……それ…だけ?」

「へっ?」

「ぼ、僕になんか変な事っ…あいつみたいに変な力使ったとか、道具とかっ!」

「はっ?いやいや、寧ろ俺の所持品なんてお馴染みの銃くらいしか、」

ほらな。と取り出してみせるのは確かに見慣れたソルトの銃だ。

後は服をバサバサとして見せてみるが、これといった道具なんか出ても来なけりゃ音もしない。

なんなら蓮華みたいな力など皆無だと、両手を振って示すのだ。

まあ、狼になれる様な特殊な生き物ではあるのだが。

とにかく今は疑われる様な何かをした覚えはないと、全力で否定して六花の反応を待てば。

どうにも嘘のないソルトの素振りや言い分には目をパチクリ。

驚愕を見せ沈黙する姿は必至に次なる答えを打ち出しているようで。

そんな間にもソルトの方は目の前の六花のご馳走具合にゴクリと生唾を飲み込み、込み上げる欲求と戦い続けていたのだが。


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