Love Eater
結果、
「っ……六花ぁぁぁ!!六花ちゃぁぁん!?とりあえず……頼むからもう一回ここに来てみようか?」
と、何もない空間に必死で頼み込むばかり。
「ちょっ…マジにな。違うんだって。あの……キスじゃ人間は溶けねえからっ!いや、お前は魔女なんだけど魔女も溶けねえからっ!」
そんな説明をされたところで現れる筈もない。
「ってか、そうじゃなくて……とにかくっ……な、仲直り出来てるよな?なっ?」
謝罪すら口にしていない癖にどんな図々しい言い分なのか。
「あー……もう六花ぁ……好きだってぇ。パンツやるからとにかく出て来いってぇ………」
どんな誘い方だ。
無論、そんな呼びかけに六花が応答する筈もなく、寧ろこのソルトの姿を捉えていたかも疑わしい。
しかし、悲しいかな謝罪の受諾も、告白の受諾も全ては六花の姿があって成立するもの。
全ては六花の心次第。
少なくとも、
この後しばらくは再び亡霊化したソルトが裏路地を徘徊した事は言うまでもない。
さてさて、魔女様の御心は?
いましばらくは罪深き神父に罰の時間を。