Love Eater
ソルトの日常と言えば時間に縛られた他者からすれば優雅なものである。
これと言って決まった出勤時間もなく、目覚めの時間はその日によって。
好きな時間に起き、食事も自分の空腹具合任せ。
特別急かされる仕事が舞い込まない限りは毎日が休日の様に自分の時間に満ちている。
かと言って特別打ちこむ趣味も趣向もなく、大抵は好みの銘柄の煙草をふかしてだらりとした一日を終えるのだ。
名目【神父】なんて肩書を背負ってはいるが、神に祈りを捧げたり、迷える子羊を導いたりましてや懺悔を聞いて諭すなんて事はしない。
教会に身を置くでもなく、なんなら信心深いとは程遠い。
神を信仰するどころか煙草は吸うわ女との性交なんて気分のままに。
どこまでも仕事の名目で上の【神父】いう肩書で、普通の仕事で言う【社長】やら【部長】やら役職程度のものなのだ。
勿論、同業者の中には芯から信心深い本物の神父も存在するが、大半はソルトの様に看板だけ背負う様な場合が多いだろう。
魔女を裁くと言えば神に通ずる者。
神父。
そんな単純に連想される事から魔女を狩る役職が【神父】などと名付けられたのだ。
本来の信仰深い者からすれば神への冒涜だと遺憾に思う事ではあるけれど、すでに世の中では浸透しきっている【神父】という役職。
なんなら政府が設けた機関であるからして、【神父】と言う職は一種の国家公務員である。