Love Eater
百夜からすればソルトの言い分も分からなくもない。
分からなくもないが六花の反応もまた理解の出来るものであるのだからして。
「場数踏みまくって穢れ切ったリッカ君と違ってね、魔女子ちゃんは純情も純情なの。両想いだからベロチュウかまして良いだろうなんて感覚すらない程にね」
「サラッと人の事汚物発言すんじゃねえよ!それに好きな相手に欲情すんのは自然の摂理ってもんだろうがっ。しかもお互いに好き合ってるのわかってるときたらするだろ、そりゃあ!?」
「ん~、本当に女慣れはしてるけど女の子の扱いは落第点なリっ君だねえ」
「なっ…、それで言ったら蓮華!あいつの方がもっと最低に獣野郎な事しただろうが!」
あいつに比べたら!といきり立つソルトが指さした先には、これまた当然の様に研究室に入り浸っている蓮華の姿があって。
しかしながら飽きっぽい蓮華が毎日続くソルトの苦悩に興味がある筈もなく、今もソファに横たわりながら気ままに雑誌を眺めていた瞬間であったのだが。
不意に向けられたベクトルには気だるげにも一応チラリと反応して見せて。
「そりゃあ、俺とリッカはそもそも置かれてる立場が違うもん。俺は別に六花ちゃんの信頼とこか恋情とか欲しいわけじゃないし。寧ろそんな物向けられちゃ萎えるわけだ。優しく紳士にリードする必要がどこにある?獣万歳でしょ?」
何が問題だと、それこそシレッと微笑み返すのだからソルトの不満も更に増すというもの。