Love Eater
人ならざる者と対するこの仕事の待遇は実に良いものと言える。
高給であるし、先に言った通りに特別な時間の縛りもない。
報告書などの提出は時折あれどそれ以外は気楽なものだ。
そんな部分だけを見れば給料泥棒なんて罵る輩もいるけれど、いざ仕事となればその命を賭しているのだ。
普通の人間の犯罪者を捕らえるのとはわけが違う。
こちらの予想など遥かに超えた力で応戦される事だってある。
次の瞬間には訳もわからぬまま命を落とす事かもしれない。
そんな職種であるからして、高給も有り余る時間も生きている間のご褒美の様なものであるのだ。
ソルトも普段はこのご褒美の時間をそれなりに満喫して消化しているのだけども、ここ数日は少しばかり違っていた。
いつもであるなら無意識にも吸っている煙草すら本数をあまり減らしていない。
なんなら今日は水を飲む以外ベッドの上から動く様な動作をしていないのだ。
服も昨日からの着の身着のまま胸元ははだけ、顔すら洗えず綺麗な顔は残念な感じに無精ひげまで。
良く言えば自堕落な王子。
だがベッドの上、頬は紅潮し口から荒い呼吸をはあはあと響かせグッタリとしている姿は王子と言うより病人と言える。