Love Eater
「ふぇっ!?重っ……ちょちょ……ワンちゃん!?」
『犬じゃねえし……狼だし……』
流石のソルトも積もり積もった欲求不満には限界で、勢い任せに六花を組み敷いた。
……なんてわけではなく。
実際は欲求不満を含め初めての変化に無理をした体と精神との限界。
諸々の出来事に体が悲鳴を上げた事でグッタリと六花の上に崩れ落ちたのだ。
六花と言えば突然倒れ込んできたソルトの異変に『えっ?えっ?』と戸惑いながら撫でたり覗き込んでいて。
あまりに六花が不安そうにその目を揺らす様子にはついついクスリ。
俺を勢いよく潰したくせに、ぶっ倒れたらそんな心配そうな顔するのかよ。
変な女。
そのまま不安を取り除く様に掌をひと舐めして視線を絡ませてやれば、ようやく六花の目から不安は消えたものの。
「よしっ、そうか!!君はどうやら体調が悪いんだね?」
『ああ、てめえのかけた呪いでな』
「安心して、僕が連れ帰って何とかしてあげるから」
『おう、マジに何とかしてくれよ』
「じゃあ、とにかくお家に帰って……うん、お風呂だ!」
『っ__!!?』
「そんなには汚れてないけど、やっぱり真っ先に清潔は保たないとね」
『い、いやいやいや、』
「大丈夫恐くないから。僕も一緒に入って隅々まで洗ってあげるから…ね?」
『こ…………恐ぇよっ!!何が恐いって自分自身が一番恐いわっ!!』
ウチに連れ帰ってこの症状をなんとかしてくれるなんて話までは大歓迎。
だけども付属したそんな提案には『喜んで!』なんて言えるはずがない。