Love Eater



ただでさえ興奮状態であるのに追い打ちをかける様な健全な男子なら興奮してしまう様なラッキースケベの瞬間。

あ、股間が死ぬ。

それが、あまりに興奮を超越しすぎたソルトが物凄く冷静に理解した自分の身体状態。

当然見た目にも興奮は明確で。

それでも毛の長い狼である現状。

もし濡れていなければ、もし普通に座っている状態なら、もし仰向けに押さえ込まれていなければ!!

誤魔化しの一つでも容易いものであったかもしれないのに。

残念ながらすべてにおいて隠しおおせる様な条件ではなく、無情にも六花の視線もしっかりとそこに終着したのである。

それまでは「さぁて、観念するのだよ。悪いようにはしねえから」なんて、ノリノリに悪者さながらのセリフを吐いていたのだが。

なんの意識も構えもなく、さらりと下した視界に映り込んできたものには流石にピタリと動きがフリーズしてしまった。

そんな六花を目の当たりにするソルトも、欲情というより変な羞恥心と冷や汗と動悸と。

だって、

流石にだ。

流石に狼の身体とは言えいたいけな少女にこんなモノを目の当たりにさせてしまった!という罪悪感も過る。

普段は煩いくらいに能弁な六花が未だにフリーズして沈黙しているのだから余計に。

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