Love Eater
こんな気まずい間となれば普通であれば萎えてもいい頃であるのに、悲しいかなそうはならぬ呪いの効果。
それどころか徐々に六花の滅多にない戸惑ったような反応にソルトの中でムラッとき始めている感情まであったりするのだから。
あー…悪い。本っ当に悪い。マジに謝るこんなもん見せてすみません。
あー、でもその顔…良い。戸惑った様なその顔をもっと突き崩して啼…以下自主規制。
ソルトの中ではそんな理性と本能のせめぎ合いとなっていた刹那。
「っ……」
ようやく六花がパッと自分の口元を覆いながら目を逸らす動きを見せたのだ。
見てはいけないものを見てしまったように。
先程の無邪気な姿など皆無に眉尻まで下げて、時折遠慮がちにこちらに視線を走らせる姿は性に疎いいたいけな少女そのもの。
それには流石にソルトの先程の葛藤も自ずと前者の感情を押し始めるというもの。
『あー……そりゃ引くよな…』
人の姿であったなら複雑なこの状況にポリポリと頭の一つでも掻いていただろう。
いや、例え人の姿であってもこんな風に跨られたままであったら他のアクションは取りにくい。
この状況を打破するには問題となっている自分の身体を隠すのが一番の得策だというのに。
なのに、六花と言えばそんな結論に頭が回らないのか、一向にソルトの上から退こうとしないのだ。