Love Eater
「も……嫌だぁ…」
『ああ~……、』
「だってこんな……」
『もうほら、…分かったから』
「っ~~雄々しいったら」
『……………あっ?』
語尾になんか異様なハートマークを感じたぞ?と、改めて六花を捉え直せば、恥じらっているものだとばかり思っていた姿の双眸は変に滾ったギラつきを見せていて。
言葉では『やだ』なんて純情を示す割に、六花の視線は逸らす割合の方が断然少ない。
『ちょっ、おい…何だかんだチラチラがっつり盗み見してんじゃねえか?それになんか…』
「ハァハァッ………」
『なんで……瞳孔開いて……』
「っ…コレはお風呂だもんね!」
『はっ?』
「私はワンちゃんの体洗ってあげてるだけ!ペットには必要不可欠な健全なるお世話だもんね!」
『ちょ……何言ってんだお前……なんか物凄く嫌な予感しか……』
「だから………洗う目的のお触りやにぎにぎは健全な奉仕活動なのです!」
『っ____!!!!?』
「いざっ!」
終いには瞳孔ギラギラに自分への言い訳を繰り返す六花は指の隙間からしっかりとソルトの股間をロックオンし始めており。
それにはソルトも欲情も羞恥心も罪悪感も見事飛んでドン引きしてフリーズしてしまったのだ。
それでも恍惚としながら手を伸ばして来る六花には我に返り、ヒクつく口元から飛び出すのは当然…、
『ふ……ふっざけんなぁぁぁぁ!!明らかに瞳孔開いた興奮気味に変態を正当化しようとしてんじゃねぇ!性に興味津々なガキんちょかお前はぁぁぁ!!』
「痛ったぁぁぁぁぁぁ!!!?」
怒号と教育的指導。
今にもこちらに変態行為を働きそうであった六花には渾身の力を込めて抵抗すると首元に噛みついたのだった。
本当……なんでこんな女を好きなんだろう俺。
そんな己の恋心にソルトが大きく落胆したのは言うまでもない。