Love Eater
とりあえず六花にこの呪いを何とかしてもらわねばと思っているのに伝わらなければどうする事も出来ない。
最初こそ魔女の神秘的な力で自分の正体などあっさり見抜かれてしまうのでは?なんて危惧もあったのだが、どうやらそんな第三の目などこの魔女は持ち合わせていないらしい。
それはソルトにとって好都合であり不都合であり。
自分が魔混じりである事は機密事項。
バレないに越したことはないのだが、ではどうやって自分にかかるこの呪いに関してを六花から探っていいものか。
そうこうしている間にもとうとう動きが制限されるほどに体力も限界ときているのだ。
八方ふさがりだ。
最早思考することも疲れたと、とうとう顎まで床に引っ付けてへばってしまえば。
「あらら、動くのもしんどそうだねえ。じゃあさっさとベッドに移動しとこうか」
そんな六花の声が響いた直後にはパチンと指を鳴らす音も響いて。
えっ?なんて思う間もなく、気が付けば硬くて冷たかった筈の床はふかふかとした感触に切り替わっているのだ。
そして刹那に鼻孔を刺激する……
『っ……きつっ…』
今のソルトには殺人的な六花の甘く芳醇な匂い。
良い匂いであればあるほど欲求が刺激されて熱が込み上げる。
ああ、欲しい欲しい欲しい……食いつきたい。