Love Eater
あまりの刺激の強さには体力の限界すら飛び越えて本能的に行動してしまいそうになるほど。
実際、ガバリと身を起こしたのは無意識の本能によるもの。
あれだけ意志ままならずにぐったりとしていた身体が滾る欲求に突き動かされたのだ。
「わっ、」なんて六花の驚愕の声すら薄らと聴き取った程度。
ベッドの上、気が付けば六花の四肢を抑え込むように覆い被さる状態となっており、風呂上りのまま未だ無垢な肌を晒したままの六花の姿には人間の姿のままでも舌舐めずりをしていただろう。
傍から見れば完全に今にも狼が人を食らおうとしている危機とした場面。
最早ソルトの理性など消えかけた蝋燭の如く儚い揺れを見せていて、もう何者も獣の捕食を阻むことなど出来ない。
……筈であったのに。
『……………………はっ?』
風前の灯であったソルトの理性は視界の端に飛び込んだ予想外のもので持ち直したのだ。
思わず5度見はしただろう。
後の今はそれに釘付け。
自分の下の美味しそうな六花の姿よりも意識が集中してしまうのだ。
すぐ横にある、自分の写真を引き伸ばして更にはプリントして制作したであろう等身大の抱き枕らしきものには。
そうして、ようやくハッと我に返って周りを見渡せばさらに衝撃に呆ける形となる。