Love Eater



『な………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!!』

と、ソルトが叫ぶのも当然。

見渡す部屋の壁には引き延ばしたソルトの写真がアイドルのポスターの如く貼り巡らされているのだ。

なんならベッドの上にはさっきの抱き枕の他に手作りらしきソルトのぬいぐるなどもある。

本棚らしきところには背表紙に【ソルト】なんて書かれて番号まで記載されているファイルが数冊に渡って並んでいる始末。

どれもこれも確実に盗撮された写真である事は明確。

しかも中には無防備に着替えている最中の物や、風呂上りに水滴を滴らせているものまで。

ここまでくれば恐る恐るだ。

恐る恐る一番近くにあった抱き枕に手を…いや、鼻先を伸ばして裏返してみる。

視界に捉えた際の面はまだ許容範囲である部屋着姿であったが、ひっくり返してみれば。

『っ……』

タオル一枚、それもかなり際どく腰に巻いた風呂上りのあられもない自分の写真がソルトの目に飛び込んできたのである。

それにはカッチーンと固まり声を失ったというに、代わって嬉々とした興奮の声を上げ始めたのは、

「やだっ、気になる?気になっちゃう??カッコイイでしょ?素敵でしょ?最高でしょ!?僕のダーリン!」

瞳孔開きまくりの六花の方。

放心状態のソルトなんてお構いなし。

なんなら自分がすっぽんぽんの裸なんて事もお構いなし。

無邪気な子供が玩具を自慢するが如くベッドから飛び降り「見て見てっ」なんて壁の写真の詳細を一枚ずつ熱く語りだす。


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