Love Eater


それでもきっと、人として戻った際にはリセットとされてしまう。

ソルトは【神父】で六花は【魔女】なのだ。

その二人が向き合うのは神父として魔女を追うという立場と職務の上で。

きっとソルトは六花にきつく当たってしまうし、六花は寂しさを隠して笑って受け流すのだ。

ああ、だったら。

今この瞬間くらいは……。

すやすやと寝息を立てる姿の黒髪にそっと自分の手を伸ばし柔らかく頭を撫でてみる。

狼の手ではまま思い描く様には出来ないもどかしさには苦笑しつつ、そっと撫でながらその身を寄せると六花の耳元に顔を近づけ

『六花、』

愛着を吹き込むように名を呼んだのだ。

そのまま、六花を抱き寄せるようにして自分も横になると目蓋を下ろして睡魔を呼び寄せる努力をする。

どうせ眠れなくても寝る努力はしておかねえとな。

少しでも体力回復して温存しておかねえと精神的に……きつい……。

ん……?……あれ?……なんか……不思議とまともに眠気が…。

なんか…暑苦しいのも和らいだ気が……す…………。

疲労に満ちていたソルトが睡魔の手に落ちるなどものの数秒。

何故急にまともに睡眠をとれるようになったかなど思考を巡らせるより早くその意識は閉ざされてしまったのだ。

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