Love Eater



腕の中にいるのは当然。

なんなら眠っている六花を抱き寄せ眠りについたのはソルトの方なのだ。

だから、ソルトが焦りを感じているのはその部分ではないのだ。

問題は……六花も無防備な裸なら人間に戻ったソルトも無防備な裸体であるという事。

毛皮に覆われた身体で得る感触や熱とは異なり、もっとより明確に密度が増す六花の身体は実に華奢で柔らかい。

しかも、お膳立てされた様な誘惑的な甘い香り漂う整ったベッドの上。

これにはようやく収まったソルトの欲求も当たり前の生理現象としてむくむくと疼き直すのは当然だ。

見た目無言で静止しているソルトのだが実際の心中では『ヤリてぇぇぇぇ!!』と大絶叫している最中であるのだ。

上げ膳据え膳すぎるだろぉぉぉ!!

昨日はそれでも獣だからって理性が効いたぞ!?

でもこんな人間に戻った日には普通に手出したいに決まってるっ!!

ってか、何で!?

何で急に呪い解けてるの!?

何がどう解除に至ったんだよ!?

俺、なんかした?何かしたっけ??

別になんかの童話の如く真実の愛のキスとかぶちかましたわけじゃねえよな!?

それにこいつも俺には出来ないって言ってたじゃん!!

単純で何てことないけどしてくれるはずないって言ってたじゃん!!

そんな俺が呪いを解くような何かをこいつにっ…………



した………かも?



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