Love Eater
それでも、無表情の水色の瞳に静かなる冷たい憤りの色がチラつけば、男の方も無駄に高ぶっていた感情を静かに仕舞い込んで少女の補足の言葉を待ったのだ。
「どれだけ残酷で非道な事してるか自分で体験しなきゃわかんない馬鹿っているよね」
「………」
「非力でか弱い女の子を男3人がかりでだよ?そんなに性欲持て余してるなら自分達だけで楽しんだら?ってリーダーっぽい男を女の子にしてあげただけだよ。ほら、3人だけで楽しめる」
「……はあ、一応……人命救助って大義名分を言いてえのか?」
「大義名分って……、まあ、命なんて大層な話じゃないけど、可哀想な女の子は一人救われたよね。未遂だったし」
良かったでしょ?なんて、笑う姿は控えめなもの、
それでも無表情を貫く少女のそれは希少価値とも言えそうな程純度が高い。
褒めてくれと言わんばかりのそんな笑顔を向けられてしまえば、男であっても頭ごなしに怒鳴るような事も出来ず複雑な心中に頭を抱えるのだ。
「……複雑だが……事情はまあ分かった。だけどなあ……お前……もっと他にやり方考えろ。」
「ん~?やり方?」
「あの元男の女の方の姿の話だよ」
「姿?どんな姿?」
「……はっ?」
「僕がかけたのは見た人間の好みの容姿に写すタイプだから」
「………」
「だから、ソルトがどんな女性のあられもない姿を見たかは僕は分かりかねるんだけどなぁ?」
「っ………」
「ねえ、どんな……」
パアンッと銃声が鳴り響いたのは言うまでもなく。
明らかに追及を断ち切った発砲には、少女もクスクス笑いながらしなやかに身体を後方に折り曲げ避けたのだ。