Love Eater
「人助けして撃たれたんじゃ割にあわなーい」
「同時に魔女の被害者発生してんじゃプラマイゼロで犯罪だっ」
「犯罪ねえ。今日の事はともかく、別に犯罪して生きてるつもりはないんだけどなぁ」
「………」
「勿論、中には魔女って印象らしく生きてるタイプもいるけどさぁ。無害にひっそり魔女でいたいってのは犯罪なんでしょうかねえ?神父様?」
「……犯罪だろ」
「世の作り上げた理上はね、」
「………」
この世界には【魔女】がいる。
魔女がいれば【魔女狩り】なんてものもあって。
それを行う【神父】という生業が存在する。
魔女は魔女であった者から生れ落ちる場合と、両親が普通の親であっても祖母からの覚醒遺伝でなどという場合と。
近しい血縁に覚えがなくとも、稀にどこかで混ざった古い血が覚醒することもあるのだ。
決して、魔女だからと言ってその個人が害悪というわけではない。
時代も時代。
【魔女】と言ってやみくもに個人を迫害して処刑しようなんて時代錯誤をしているわけじゃない。
じゃあ、なぜ【魔女狩り】なんて物が存在するのか。
それは、良くも悪くも魔女が魔と通じる事が出来る生き物であるから。