Love Eater
六花に打ち明けて六花がそれを他人に広めるなんて疑いをかけてはいないが、いつ何時どんな形でそれが広まるかなんてわからないのだ。
自分の為にも、他の魔混じりの為にも厳守すべきものは厳守すべき。
そんな意思もあるからして結局は堂々巡りの悩みに巻かれて悶々としているのだが。
「あー…いっそ後先考えない馬鹿になって快楽に突っ走りゃあいいのかねえ」
「フフッ、一時の快楽だけが目的ならそれでもいいだろうけどねえ。リっ君が欲しいのは快楽と言うより魔女子ちゃんそのものなんでしょうが?」
「……認めたくねえがな」
「だったら自棄な行動はしなさんな。魔女と魔混じり、繋がればどんな影響を及ぼすかは未知数なのはリっ君も承知している事だろう?」
「分かってるからこうやって自粛してんだろうが」
「それに、半分人間とはいえ魔の部分がどう魔女に反応するか分からないからねえ、性の上でも」
「確か…人間とは違うんだったか、孕み方も」
「人間同士であるなら排卵日だとか母体の健康状態だとか、条件が揃っての体液受精でそれを阻む避妊具なんてのも揃ってるけど。魔と魔女のそれは体を合わせた際の魔力の融合で孕むみたいだからねえ。さすがに対人間同士用のゴム製品如きじゃ阻めないだろうねえ」
「半分人間でも同じ…か」
「半分魔物だからね。100%魔の部分が反応するとは限らないけど、100%人間のそれであれるとは限らない」
「結論、1%でも不安があるうちは手を出すべきじゃねえってこった」
「彼女が大切ならね」
ニッコリと付け足される一言には返す言葉も気力もない。
百夜の言った事は別に初めて聞いた衝撃の事実でもないのだ。