Love is GAME
直ぐに返事をしないところを見ると、何か仕事を抱えているのかしら。

「無理だったら、いいのよ。」

私はコピーが終わった50枚の紙を揃えて、大きいクリップで留めた。

「いえ。できます。」

私は、手を止めた。


彼、有望株って言われているけれど、本当は仕事を断らないからなんじゃない?

私は、はぁーとため息をついた。

引き受けたのは、彼だからね。

後は、知ーらないっと。


そして、資料15冊分を作り終えた頃には、夕方になっていた。

「ありがとうね、野村君。」

「いいえ。こちらこそ、お役に立てて嬉しいです。」

そう言って彼は、頭を下げた。

サラサラの髪が揺れる。


ああ。

あの髪を、抱かれている時に、掻き回したい。


って、私何を考えているんだろう。
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