Love is GAME
「拭いたら、このふきんどうするんですか?」

「洗いに行くのよ。」

そう言って私は、彼にふきんを持たせて、給湯室に向かった。

そこにはバケツがあって、石鹸でふきんを洗っていた。


「僕が洗いますよ。」

彼は進んで、袖をまくった。

「じゃあ、お願い。」

バケツの中に、石鹸でできた泡ができて、彼はその泡で一生懸命ふきんを洗っていた。

その指先が、意外に綺麗な事を知った。

だからと言って、何も想像しなかったのは、私の脳がようやく彼を”男”として、認識しなくなったのか。

はたまた、想像できないくらいに、その指先が綺麗だったからなのか。

「野村君。手が綺麗なのね。」

「そうですか?初めて言われました。」

彼はふきんを洗い終わったのか、ふぅーと息を吐いた。
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