Love is GAME
京太郎だって、本気の恋愛を望んでいる訳じゃない。

「どうやって、繋ぎ止めておこうか。」

結婚に二の足を踏むのだったら、”付き合う”しかない?

この私が?

私は私を鼻で笑った。


京太郎との情事は、いつもその日に決まる。

「松尾さん。これ、ファイリングしてくれるかな。」

「分かりました、菊池主任。」

会社では、名字で呼び合う決まり。

誰にもバレていない、秘密の関係。

それだけで、ワクワクしてくる。


そして、京太郎は付箋をそっと貼っていく。

”今日、18:30にいつものホテルで”

それを見て、私はシュレッダーにその付箋を入れる。

私達のコンタクトは、それだけ。

それだけがいい。

電話とか、メールとか、Lineとか。

全部、嘘だもの。
< 6 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop