ヴァーミリオンの空の下
 鼻で笑うその姿は、何年経っても変わらずに僕のそばにいてくれた。

 ワガママを言っては人を引きずり回していた少女。

いつの間にか温かくて誰かの居場所になれる女の子に成長していた。

 高校生になっても僕たちの関係は変わらないままで、変わったのは真帆を見る僕の視線。

 真帆をそんな目で見るのが嫌で遠ざけたりもした。

だけど涙を流しながら僕を叱る真帆を見ていたら、それでもいいかもしれないって思えるようにもなった。

「真帆はさ」

「うん?」

 たぶん僕の顔は朱いに違いない。

でも言わなきゃ前に進めない。

「真帆は許してくれるよね?」
< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop