強がりプリンセス



そんなあたしの心の声が伝わったのか、近藤瑛人は露骨に顔を歪めた。


「言っとくけど俺、料理できるから。」


……なんですと?


料理ができる?


「本当に?」


「嘘つくかよ。俺一人暮らしだから一応そんぐらいはしてるし。」

そんな…


あたしも一人暮らしだけど料理は簡単なのしか出来ませんよ?


んまぁ、この前倒れた時に家行ったから、近藤瑛人が一人暮らしなのは大体予想できてたけどね。


「作ってやろっか?」


もう一度。

近藤瑛人は同じ言葉を繰り返す。


いやいや、作ってもらえるなら助かるよ。あたし料理できなくて。今日からでも家に来てくれないかなぁ?本当にありがとうね。



……なぁんて、あたしのプライドが許す訳もなく。



「別にいい。」



と、そっぽを向いてしまう可愛くないあたし。


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