私を照らす唯一の光(仮)
君との出会い
ガラッ

「はじめまして、転校してきた立花夏樹です。よろしく」

きっちり45度頭を下げボーっと私を見るクラスメイト達を見回す

高一の冬、あることでクラスにいられなくなった私は高二の春からこの学校に通うことにした

「と、いうことでみんな仲良くしてあげてね」

拍手が起こる

「立花の席は日野くんの隣の席ね」

先生の指差した場所は一番後ろの目立たない席だった

日野くん、と紹介された彼は茶髪にピアス、着崩した制服というチャラそうな人だった

どう見てもクラスの中心にいそうな人

「俺、日野陽太!よろしくな!」

席に着くと早速挨拶してきた、それも大声で

握手を求めるように手を出している

…こんな人は嫌いだ

「よろしく…」

手を握らずに無愛想に睨みながら返事をする

どうせこんな人と関わらないだろう、そう思い睨む

こういう人と関わると良いことなんて無い、だから睨む、もう話しかけてこられないように

私の心は前の学校を通して冷めきってしまっていた

「アハハ、陽太嫌われてるじゃんw」

私と日野くんの会話を聞いていた複数人が笑う

…ほらね、悪目立ち、良いことなんて無い

空振った右手を頭の上に置き乾いた笑い声を出す日野くん

あんな思い二度としたくない
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