私を照らす唯一の光(仮)
嫌いなはずなのに
キーンコーンカーンコーン

お昼のチャイムが鳴ると、バックからスケッチブックとお弁当を取り出しクラスメイトに話しかける

「中庭ってどこ?」

話しかけたのは眼鏡をかけた優しそうな女の子

私が話しかけたのが以外だったのかびっくりした顔をしている

女の子は他の子との話をやめ、向き合って説明してくれた

中庭に着くと人の気配は全く無く誰もいないようだった

中庭の真ん中には大きな桜の木があって、風に揺られていた

その景色はとても綺麗で見とれるほどだった

「あれ、立花じゃん。」

スケッチブックに桜を描いている時に日野くんの声がした、日野くんはお弁当を片手に持って近寄ってくる

「何それ。スケッチブック?絵描いてんの?美術(部)入んの?いつから描いてんの?」

質問続きの言葉にびっくりする

日野くんは目をキラキラさせ、さっきよりも近づいている

…えっと…どうすれば…

こんなに興味を示されることはないため驚きが隠せない

「ああ、ごめん。俺テンション上がるとこんな風になるんだ、驚かせて悪いな。」

飼い主に叱られてシュンとなる犬のように落ち込んでいる

…ちょっとかわいいかも

「ぶっあはははww」

笑いを押し殺しきれなくて涙ながら笑う

日野くんは驚いた顔をして私を見ている
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