part-time lover
第7話
7月も終わりに近づいた蒸し暑い夜。
雅也くんとのデート帰りにほろ酔いでお家にお邪魔して、ワインを片手に深夜番組をぼんやり眺めていた。
ほんの数週間ではあるものの、彼との交際はそれなりにうまくいっていると思う。
時間が合えば会って、どちらかの家に泊まったり、いわゆる付き合いたてのカップルといったかんじ。
一方ケイさんに対しては、何となくの気まずさがあり、お誘いの連絡が何回かきたものの全て返事をせずにここまできてしまった。
奇しくも雅也くんの家はケイさんの職場の近くということもあり、この家に来るときにはなんだかそわそわしてしまう自分がいた。
まあ、新しい女の子を見つけたらこの連絡もぱったりこなくなるんだろうけど。
彼氏の隣にいながらこんなことを考えてる私は酷だろうか。
頭をリセットするために少しだけグラスに残ったワインをぐっと喉に流し込んだ。