part-time lover
頻度は高くないもののここまで重ねてきた時間があるから、お互い言葉はなくても体の重ね方は十分にわかっていた。
どこにどう触れれば心地いいのかも、お互いのペースも、視線を合わせるタイミングも全て完璧な気がした。
いつも以上にお互いをじっくり味わって、気持ちが高ぶるところまで高ぶったところで、切ない表情をして彼が私に体を沈めた。
必死に彼の背中に腕を回してしがみつく。
そうしないと、何故か不安になりそうだったから。
自分の気持ちのぶつけ方はセックスでしか知らないから、この一瞬は彼のものになりたいという気持ちを込めて指先に力を入れた。
そんな気持ちを汲み取ったのか、彼が一度体を離すと指を絡めてまた動き出した。
いつもよりも優しく、スローなペースで私のことを味わうように彼が快感を与える。
恥ずかしい声を抑えることもせずに、身体全部で彼を感じた。
「ケイさん、もうだめです」
自分の弱いところを攻められて、私は限界を迎えようとしていた。
「うんいいよ」
目を見られてそう言われると恥ずかしさと相まって、簡単に果ててしまった。